日々雑録

ブツネタ461「閻魔像が完成しました」

2021/04/04(日) ブツネタ

 

昨年末に登場したままで、その後ブログではご紹介できていなかった閻魔像。

 

ブツネタ452「珍しい椅像での製作」

 

先日完成に至りましたので、その後の工程をご紹介いたします。

 

 

こちらは彫り上がり時。

 

 

身丈1尺。 像高は1尺7寸6分。

尾州桧材。

 

 

こちらは接合前の画像。

胴体の内部は内刳りを施しています。

 

 

 

お顔は玉眼。

石英製の玉眼。

 

目を見開くお顔にはガラスよりも透明度の高い人工水晶が効果的です。

 

 

仕上げは極彩色。

彩色の前に下地の工程に移ります。

 

 

接合部分に漆刻苧(うるしこくそ)を充填し、

 

 

その後に、生漆を全体に摺り込み、木地堅めを行い

接合部に和紙を張ります。(底には寒冷紗を張ります。)

 

 

この後、再度生漆を摺り込み、

胡粉と膠による白地を塗り、研いだ後に、

金箔・金粉やプラチナ箔を押す部分に漆を塗り、下地の工程は完了です。

 

 

今回の塗分けや彩色の塗分けは、ご依頼主であるご住職様のご意向をもとにしており、

冠にプラチナ箔、帯に消し粉など、ユニークなワンポイントとなりました。

 

 

 

そして彩色ですが、

派手な衣ではなく、墨染の衣をまとい、

身色は肌色です。

 

 

 

閻魔さんと言えば、赤いお顔をされているイメージです。

 

赤い身色の仏像と言えば、

まず思いつくのが愛染明王。 赤不動と呼ばれる不動明王。

四天王でいえば、増長天。

十二神将でも赤の身色がおられます。 共通するのは憤怒相。

 

閻魔さんが赤いお顔をされているのには諸説あり、

色を加飾することで 「恐ろしい相貌」を表現するようになったという説が一つ。

 

二つめに、

裁判にやってくるのが悪人ばかりで赤い顔をしている説。

(漫画みたいではありますが)

 

三つめに、

亡者を裁くという罪を背負い、自らが罰せられ、その苦しみに耐えていることから赤いくなった説。

 など。

 

 

 

確かに、赤いお顔をされていると、より恐ろしく感じるかとは思いますが、

 

椅像といい、墨染の衣といい、身色といい、

迫力はないものの、心の奥底まで見抜くことが出来て、

確かな裁判を司る、さらに慈悲の心も兼ね備えた閻魔像のようにも思えてきます。

 

 

 

今回の閻魔さんは、禅宗寺院に祀られるということもあり、

木の素朴さと、尾州桧の上品さを意識して、

書記官である司命・司録に関しては、

桧材で五角の柱に字を彫り出して表現をしました。

 

新たな仏像が祀られ、信仰の対象となることは、

このお仕事をさせて頂く中での醍醐味の一つです。

 

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