日々雑録

仏具修理の話28「繰出位牌の復元修理・其の二」

2025/09/19(金) 仏具修理の話

 

 近年、繰出し位牌の修理の問い合わせを良く頂きます。

 

以前にも、日々雑録でご紹介いたしましたが、

仏具修理の話24「繰出位牌の復元修理」

 

 

引き受けられるところが少ないのか。。

確かに修理は面倒でしょうし、

中国製?の安い代替品があるので、そちらを勧められるのかもしれませんね。

 

 

 

 

今回、預かりましたのはこちら。

屋根付で、台座は所謂、筆返し型。

 

焼判で焦がして模様を作るようなものではなく、

彫りも深くて手彫りで彫刻されています。

 

経年の汚れはあるものの、

比較的まだ保存状態は良いと感じます。

 

繰出位牌の損傷で最も多いのが、扉の脱落。

特に蝶番が傷んでいるのをよく目にします。

今回のはまだ何とか既存分が使えそうです。

 

 

 

繰出位牌でしたら、多くは、既存の状態から、

そのまま塗替えをされるのでしょうが、

 

彫刻がある以上は、私共は敷下地を除去して木地に戻します。

こちらが木地に戻して、解体後の写真。

 

 塗り替えれば、きれいにはなりますが、

上から上から塗り重ねれば、彫刻は必ず埋まり野暮ったくなります。

 

そして、木地修理後がこちら。

 

 

下地を経て、漆塗り。蝋色漆塗り後です。

 

 黒塗部分は、蝋色の工程を経て、鏡面に仕上げ、

 

 金箔を押します。

 

 扉の金具は、酸洗いをして、

一部修理と補足をして、メッキをし直しました。

 

 

あと、中板の札を、お一人ずつ彫ってあったのを

 

 夫婦用の二霊彫りにして、手彫りにて1枚に作り替えました。

 

 

 

そして、修復後がこちら。

 

 

 

 

 

 

今では量産品の繰出位牌が主流で、価格も手頃です。

中板の規格が合えば、それも良いかと思いますが、

修理して良くなるものであれば、修理して後世に繋いで頂きたいです。

 

 

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