日々雑録
仏壇修理の話3『板内3尺5寸/要所を改良』
2011/07/28(木)
仏壇修理の話
今日は、お仏壇のご修復のおはなし。
板内3尺5寸の非常に大きなお仏壇。
【修復前】
こちらは修復前の写真です。
京仏壇ではありませんが、
“京都の職人さんで”という施主様のご要望により、
修復のご縁を頂くことになりました。
修復期間は約半年。
お仏壇の修復となると、これくらいの工期が必要になってきます。
【修復後】
そして、こちらが修復後の写真です。
基本は、既存の内容を復元していくのですが、
今回の修理においては、
京都色に改良した点が何点かあり、そちらををご紹介します。
まずは、“欄間”。
欄間の彫刻に、もうひとつ動きがなかったので、
花の彫刻を交換し、欄間自体を華やかに見せました。
【修復前】
【修復後】
次に、“高欄”。
既存分の須弥壇の天板は、中尊と両脇が通しになっていたので、
須弥壇の改造し、高欄自体を取り替えてみました。
【修復前】
【修復後】
そして、“錺金具”。
今回の修復において、特筆すべきなのがコレ★
要所となる框の錺金具を“地彫り”の錺金具を使用しました。
規格が見事に合ったので、
出し惜しみせずに、地彫りを使用しました。
【修復前】
【修復後】
使用した地彫りの金具。
裏を見ると電鋳品との違いは歴然なんですけどね・・。
実際取り付けると、電鋳金具と見分けも難しいところが残念でもあります。
ですが、正真正銘”地彫り”の金具を取り付けました。
ブツネタ112 「りんかつ」
以上改良した主要3点をご紹介しました。
既存のお仏壇から一変してしまうのは、それまでの愛着も消しかねません。
ですが、そういった雰囲気を変えずに、
部分的に格好良く“改良”することもご提案させて頂いております。