仏像はお仏壇の要。
人の心を映す鏡です

仏像はお仏壇の要。 人の心を映す鏡です

 

生きている仏像

  谷口で長年、仏像を彫りつづける仏師・林清嗣が、こんなことを言っていました。
「阿弥陀さんを彫るときは、お父つぁんみたいな阿弥陀さんを彫ろうと思う。怒られそうだったり、慈愛があったり。そんな仏さんや」

 仏像の前で手を合わせる時、私たちは知らず知らずのうちに、仏様に語りかけていることがあります。聞いているのかいないのか、微かな笑みを浮かべる仏様に自分の心をさらけ出しているうちに、なぜか気分が落ち着いてきたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

 仏像は人の心を映す鏡。しかも、その人の中に眠るやさしさや希望を引き出して映してみせる鏡だと、私たちは考えています。だからその家で代々守ってくださる仏様をつくる時は絶対に急ぎません。一体一体丁寧に、心をこめて刻んでいるのです。

 また、私たちの工房には、仏像修復の依頼も多く、日々様様な仏様たちがやってこられます。長い年月、人びとの祈りを受けてこられた仏様は色褪せ、やせておられます。再びもとの美しいお姿に戻っていただけるようにと、細心の注意をこめて修復作業をさせていただいています。

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