日々雑録
ブツネタ404「久々の踏み割り蓮華」
渾身の一撃的な、そんな満足のいく出来です。
お木仏は阿弥陀如来像。老山白檀の截金仕上。身丈は5寸5分。
光背は舟型。雲の渦上げ彫り。漆箔仕上。
台座は古代型。漆箔仕上。葺蓮華は岩彩色+截金仕上。
渾身なのは、華盤の彫刻と、久々のおシリーズ、そう踏み割り蓮華です。
彫り上がりました24「おシリーズ☆踏み割り蓮華座」
ブツネタ126「あの☆おシリーズ台座が完成」
浄土宗では、踏み割り蓮華が正式だということで、一般のお家のご本尊でも
踏み割り蓮華にされているのをよく目にしました。
現在の中国製や量産品では、このような決まりは踏襲されませんし、
少し手間の要ることですので、弊社でも製作する機会は頻繁にはありません。
踏み割り蓮華の由来は、双頭蓮(そうとうれん)。
双頭蓮とは、一本の茎から2つの花を付ける、いわゆる蓮の双子ちゃん。
かなり珍しく、吉祥の花とされます。
その双頭蓮を、上品に華やかに、岩絵具の上から截金で演出。
さらに、敷茄子を挟んで、次の段にくる華盤の天場をくどいくらいに彫りを入れました。
双頭蓮をより華やかに演出です。
蓮華のことばかり書いていますが、
こちらの阿弥陀さんも渾身の作です。
見て頂ければ、説明も不要かと思います。
実は、お仏壇も製作のご依頼を頂きまして、総合プロデュースをさせて頂きました。
こういったことは、仏具屋の醍醐味といいますか、
特に、京仏商谷口謹製の仏様をご拝命頂けますと腕が鳴ります。
講釈はさておき、実際の納まり具合をご覧ください。
舟型の光背は、やはり存在感が出ます。
雲の渦上げ彫りは、雲の渦の部分を木地を足して深さを出しています。
仏壇に納めましたら、渦雲の部分に陰影が出て、光背に重みが出ます。
透かし彫りも好きですが、
今回の台座にはこの雲渦上げ彫りが最適だったと思います。
ご覧の通り、仏様を仏壇内に納めてのバランス、バッチリです
ご本尊あってのお仏壇。 当たり前のことなんですが、
以外ときれいに納まっていないところは多かったりします。
永く手を合わせて頂くお仏壇。
次の代、またその次の代へ継承して頂けると嬉しく存じます。
ご縁に感謝。