日々雑録
ブツネタ219 「◆◇いざ洗浄地獄へ◇◆」
2011/02/25(金)
ブツネタ
寒い時期はなかなか億劫ではかどらないのが、洗浄作業。
最近ようやく暖かくなってきたので、そろそろ冬眠から目覚めなあきません・・。
これは、先だって引き取った仏具。
こういった仏具は、錺金具を鋲を抜いて取り外し解体、
その後、薬品を使用し洗浄、汚れを落とします。
その後、木地師さんのもとで補修を施します。
僕が億劫になる“洗浄”作業はこういった汚れ落としの“洗浄”ではなく、
彫刻の下地除去作業のこと。
彫刻は、
“下地+漆箔”
か、
“下地+彩色”
の状態になっているわけで、
その下地を除去してやれば、
早い話、彫り上がりの状態に戻る訳です。
水に浸けて、下地を浮かせ、木地の状態まで戻す。
ですが、下地を浮かせるといっても、
“かさぶた”をめくるように簡単にはいきません。
少々時間が要ります。
このように木地の状態に戻すわけですが、
木地自体を傷めないように下地を除去しなければなりません。
木地を傷めると逆効果になります。
何故にこの作業を施すか・・・
それは、塗り膨れて仕上がることを避けるため。
修理をすると、
漆や金箔が塗り替えられ綺麗にはなるものの、
厚ぼったくなっているものをよく見かけます。
そういった仕上がりにならぬように心掛けているわけです。
これから約、2、3ヶ月は洗浄作業が続きそう・・。
暖かくはなりますが、これからは花粉との戦いだ・・・。