日々雑録
ブツネタ410「登高座のご納入」
2017/04/13(木)
ブツネタ
平安型の登高座を納入させて頂きました。
ブツネタ406「脚が素敵ね。平安型の登高座」
製作卸のお仕事でしたが、今回は納入までをお手伝いさせて頂きました。
内陣にどのように納まったか、そしてご住職様の反応も目の当たりにでき、
我々にとってはとっても有難い機会です。
平安型の登高座は、
余計な加飾はなく、繊細な脚のラインと全体のバランスがモノ言う型。
概ね木地師の手腕に掛かっているともいえます。
机の脚のラインは繊細にする分、今回は礼盤には重厚さを出すため、
框の厚みを通常より増やしました。
また、框の錺金具には少し豪華に見せれるよう、
猪の目の透かしを上下2つ入れました。
写真の通り、無事に仕上がったわけですが、
仕立て(組立て)には思っていたより時間が掛かりました。。
布張り堅地(漆の下地)が施され漆が塗り上がった後に、
刃物で削り出して、このミゾを出さねばなりません。。
(1日半掛かりました。。)
このミゾに格狭間が入ることで、框と挟みの間に僅かな隙間も生じません。
ミゾがある/ないで、木地師さんも仕立てる側もえらく手間が異なります。。
そんなことやあんなことを卸という立場ではありましたが、
僭越ながらご住職様にご説明させて頂きました。
既存仏具も京製のようで立派な仏具ばかり。
寸法はもちろん仕様等もバランスよく納まりました。