日々雑録

ブツネタ502「唐櫃型の賽銭箱 製作」

2025/08/17(日) ブツネタ

 

さて、今回は欅の賽銭箱製作のご紹介です。

 

 

賽銭箱の材というと欅をイメージしますが、

御多分に洩れず、欅での製作です。勿論恥ずかしくない良材を使用します。

 

形状は、唐櫃(からびつ)型。

 唐櫃は、高さのある足が付く大形の箱で、

底が床から離れているので、中に入れる宝物を湿気や虫の被害を防ぎ、

正倉院の宝物でも見られます。

 

 

 

 さて、そのような唐櫃型の賽銭箱ですが、

今回は工法に重点を置き、手を入れた工法を選択しました。

 

 

こちらは箱部分の四方の板。

 

 この4枚の板をどのように留めるか。

今回選んだのが「送り蟻」。「寄せ蟻」ともいいます。

また組んでしまうと見えないので「隠し蟻」とも。

 

この幅狭、幅広交互のミゾがその「送り蟻」のミゾになります。

 

このミゾに、ホゾを入れて

 

送り叩いて固定させます。

 強度的にも非常に強く、視覚的にもホゾ部が見えない

良いことだらけの工法ですが、ただ各段に手間がかかります。

 

 

内部の板は3枚。

仮り組みですが、なかなか難しい。

拭き漆をしてからになると余計に気を遣います。

 

 

 

箱部の仮組みが完了しました。

次に、唐櫃型の要所である脚の固定です。

 

蟻溝は脚1本に付き4ヶ所。

 

 こちらが脚4本。

 

蟻桟が4箇所。

反り止め、強度面を考えれば十二分かと思います。

 

ホゾに入れて

 

送り叩いて固定。

 

ということで、どこも組んでしまえば見えない部分ですが、

欅は動きやすい木ですので、後々反ったり割れたりするのは、

材の問題や環境の問題もありますが、

大きくは構造的にどう作られているのか、が肝心です。

 

 

「奉賽」の文字を彫る以外は、他の加飾はなく、

拭き漆で仕上げて完了になります。

 

加飾が少ない分、木地と拭き漆の良し悪しが露骨に出ます。

 

 

完成がこちらです。

 

 

 

 

 

 

重厚感のある唐櫃型の賽銭箱が仕上がりました。

材と拭き漆具合、接合部のおさまり具合をみても程度がわかって頂けると思います。

 

施主銘板は、できるだけ大きくとのご意向でしたので、

彫金で、誇張しすぎないように銀燻しにて。

 

仏縁に感謝。

 

 

動画も作りましたので、良かったら見て下さい。

 

 

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