日々雑録

ブツネタ503「白檀塗り三部経箱の製作」

2025/09/20(土) ブツネタ

 

経箱製作のご依頼を頂きました。

 

浄土三部経(仏説無量寿経・仏説観無量寿経・仏説阿弥陀経)

を納められる三部経箱。

浄土真宗本願寺派で使われます。

 

 

今回は、施主様のご意向で

少々珍しい三部経箱(覆い)の製作となりました。

 

 

木地はこちら。

 

 

 四方甲盛りですが、緩やかなアーチでというご指定でした。

控えめな感じが上品ですね。

 

 

塗りは白檀塗りに。

 

 

⑴塗師

堅地(漆下地)にて箔下漆を塗り、

 

⑵蝋色師

塗面を摺り上げを行い、より平滑に仕上げます。

 

 ⑶箔押師

金箔を押して、その上から漆で養生をします。

 

 ⑷塗師

金箔の上から透き漆を塗ります。

白檀塗りの場合の通常は朱合漆という透き漆を塗りますが、

朱合漆の白檀塗りはこちら⇒ ブツネタ499「白檀塗りの蟹香合」

今回は、深い色となる梨地漆(3回塗り)で塗り上げました。

 

 ⑸蝋色

梨地漆が乾燥後、塗面を研ぎ、生漆を摺り込み、

鏡面に仕上げます。

 

 白檀塗りも手を抜かずに仕上げると職人を行ったり来たり。

時間は多少かかりますが、仕上がりは満足いくものになります。

 

 

 

次は最後の工程、蒔絵になります。

 紋の大きさや、位置を確認し、平磨きにて。

紋は天場側面で計8個入れます。

 

 

蒔絵は金価格の高騰で、非常に敷居が高くなりました。

金粉を蒔きっぱなしのものが「平消し」と呼ばれ、最も廉価な認識でしたが、

「平消し」でも8個入れるとなると、なかなかな額になります。

 

そんな中ではありますが、「平磨き」をお選び頂きました。

「平磨き」は、金粉を蒔いた上から漆を塗り、磨きの工程を入れます。

漆が入ることで強度が上がり、金の色も濃くなり、重厚さが増します。

 

 

完成がこちらです。

完成時は色が濃い状態で、徐々に色が淡くなり、

どう変化していくかは楽しんで頂きたいところです。

 

梨地漆の白檀塗りの経箱。

製作機会の少ないお仕事のご依頼、非常に有難く勉強になりました。

仏縁に感謝。

 

 

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