日々雑録
仏壇修理の話11『障子の金紗はやっぱり刺繍で』
2016/05/28(土)
仏壇修理の話
仏壇のご修復のお話は定期的にございますが、
全てを塗替え、金箔を押し替える、いわゆる“洗い”から、
部分的に塗り替え、部分的には現状を維持する部分修理、
あと多いのが、障子の紗の張替え。。
紗に関しては、過去にも数回取り上げました。
ブツネタ66「障子に使うよ☆竹屋町」
ブツネタ292「仏壇の障子を張り替えるなら」
紗がかかったような・・という表現をしますが、
このような薄い生地を通して物を見て、
ぼんやり見えるところから、こういった表現をするんでしょうが、
仏壇の紗には、この無地の紗に、
金糸を織り込んだ(刺繍した)金紗を使用しています。
ただ、その多くは織り込んでいるのではなく、
転写したのが殆どで、金の質も悪くて普通です。
弊社では、出来る限り、前者の刺繍の金紗を使用します。
あまりそこを重要視されるお客様はおられませんが、
弊社がこだわるものですから、お客様にはご説明をさせて頂きます。
あと、付け加えますと、
この紗の張替え、そこそこ手間がかかります・・。
今回の障子は金仏壇で、障子の組子はスライド式になっています。
部分的には金箔が擦れていたり、
塗り替えて箔押し替えするまでの予算はなく、
部分的な箔押しと紗の張替え。
となれば、現状のままを保ちながらの作業となります。
紗を貼る部分に漆が付いてたりするのを両面サンドペーパーで落として
紗を張ってスライドさせ固定。
ま、言うほどでもないか。。
・・のわりにいつも時間かかってる気がします。
うん、転写の金紗より、絶対いい!★