日々雑録
ブツネタ428「厨子の幕板が完成したよ」
2018/06/15(金)
ブツネタ
厨子の幕板が仕上がりました。
「幕板(まくいた)」
一般の住宅や机などの家具でも、幕板と呼ぶ部分があるようですが、
仏具においては、この部分を幕板と呼びます。
厨子において扉内部の上側に付く板のこと。
その場合、加飾方法は彩色で文様を描いたり、
中には蒔絵を施したり。。(今回は彩色ですが)様々です。
幕板の付かない厨子も多いのですが、
幕板があれば、厨子のワンポイントととして、自由な選択が出来ます。
今回の厨子は、
以前にご紹介した厨子の幕板になります。
ブツネタ421「厨子の木地が仕上がりました」
比較的大きな厨子になりますが、扉がないシンプルな形状ですので、
幕板の彩色は、ごく一般的ではありますが「宝相華唐草」。
ごちゃごちゃした文様ではなく、あっさりと。
でも、岩絵の具を使用して、より上品に仕上げました。
岩絵具は顔料のこと。
粒状の顔料を膠によって塗り重ねることにより、水干絵具とは違う風合いが出ます。(画像ではわかりにくいですが)
繧繝(うんげん)の濃淡の濃い部分と地色を岩絵の具を使用。
今回の番手は、10番~13番で粒子の細かい岩絵の具を使用しました。
厨子の工程も、金箔押しを残すだけ。
来週からは、金具打ちと最終の組立て。いよいよ大詰めです。