日々雑録
ブツネタ470「奥ゆかしいヌグイ截金」
2021/09/20(月)
ブツネタ
今年は色々とハードルの高いお仕事のご依頼が重なりました。
そのひとつ。
「ヌグイに截金」
ヌグイとは、漆箔のお木仏において肌の部分に用いられる工法で、
金箔を押した上から、金粉を蒔くというもの。
金箔の層の上に、さらに金粉が乗るわけです。
そんな上等な仕上げに、さらに截金を施すという最上のさらに上の仕上げです。
「ヌグイに截金」は、前々から関心のあった工法でしたが、
リスクを考えるあまり、怖気づいておりました。
詳しくは、仕上がった際に改めてご紹介いたしますが、現状報告報告を致しますと、
このような状態。
まず、袖内側の筆の入らないところに截金を施しました。
何とも綺麗☆ 前にぐいぐい誇張する感じがなく、上品で繊細。
金の上に金ですから、木地や彩色の上への截金のように主張ないですが、
艶の消えた金粉の上に、艶のある金箔のコントラストは驚く程の奥ゆかしさがあります。
このあとは、肩を接合し、
通常の漆箔仕上げの仏像と同様の順序で、下地・漆と金箔・金粉を仕上げていきます。
ここには書きませんが、いろいろとリスクがあって、
易々と取り入れられる訳ではありませんが、
今後も機会があれば、やってみたいなと思っています。