日々雑録
仏像修理の話93『小さな大黒天像の修理』
2024/05/10(金)
仏像修理の話
小さな大黒天さんが弊社工房にやってこられました。
像高10㎝に満たない小さなお像です。
何かにプレスされたかのような痛々しいお姿。
木質が粘り気がなく、木繊維が割けている部分もあります。
でも、
やはり最も気になるのは、お顔。
鼻、唇を含めて右半分は傷んでますが、
左半分が残っているので、これを参考に右半分のお顔を修理していきます。
お顔は、桧の刻苧で造形。
他の箇所は、同様に桧の刻苧と、
手や足先、小槌は桧材で補作。
また、俵座と框を新たに製作しました。
大黒さんは、元の色に合わせて補彩、
俵と框にも同系の色を付けて完成になりました。