日々雑録

仏像修理の話94『山の阿弥陀像の現状維持修理』

2024/05/20(月) 仏像修理の話

 

かなり歴史を感じる阿弥陀さん。

こちらは修理後の画像です。

 

 

山の上にある寺院の、さらに上にあるお堂に祀られています。

 

 

雨なんか降ろうものなら、登るには危険な立地。

そう簡単には参れない場所に、こちらの阿弥陀さんはいらっしゃいます。

 

多くの方に手を合わされる仏さまではなく、

長い間、限られた方だけに守られてきた仏さまです。

 

 

で、こちらが修理前のお姿。

 

 

両足先がなく、台座もないので自立しないものの、

 

 

指の欠損や

 

 

袖に割損があったりはしますが、

 

 

著しい虫食いや、ネズミによる被害等はありません。

 

本躰は一木で、両手と両足先は別彫りですが、

残った両手は、後補ではなく、オリジナルと判断。

 

 

今回は、現状を維持する修理を基本とし、両手両足の補作し、

台座と光背を新たに製作させて頂きました。

 

 

 

欠損した指と足先は、尾州桧材で補作し、

 

 

 

台座と光背は、

阿弥陀さんの作風と違和感が出ないように素朴な形状の

大仏座と輪光を、紅松材で製作。

 

 

 

阿弥陀さんの補作箇所と、台座光背を古色で色を合わせて

修理は完了です。

 

 

 

 

 

 

 山のお堂に、昔から祀られていたお姿のように

違和感なく、お戻り頂けました。

 

 

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