日々雑録
ブツネタ134 「★恐ろしき彫刻★」
2009/11/30(月)
ブツネタ
現在お預かりしている台座。
立像6寸5分程の小さな台座です。
復元修理のご依頼で、当社までやってこられました。
これから、漆・下地をを除去し、彫り上がった木地の状態まで戻します。
ですが、なんとも恐ろしく細かな彫刻が施されています。
江戸期に制作されたものは、一般的には高く評価されていませんが、
中にはこのような、技を凝縮した脱帽クラスの台座と出会うことがあります。
台座だけでなく、光背、厨子、仏さんに至ってまでそうでした。
今回は、その台座の一部をご紹介。
洗浄して、下地を除去して、接合部を解体した段階の写真です。
丸型の框に、高欄(欄干)の柱が4本。
その柱の間に、地すき板が取り付けられて、
その地すき板の中に彫刻が取り付けられていました。
とっても細かい脱帽の彫刻。
下地を除去するのもひと苦労でした。
残念ながら、彫刻の3つのうちの1つは、摩損が著しく、欠損部を新補することになりました。
上側と真ん中はオリジナル。 その彫刻の繊細さがよくわかります。
さらに、この台座は丸座ということで、
丸い框に合わせて、地すき板も、その中に入る彫刻も湾曲させてあります★
手間の要る作業・・・
しかも、その合わせ様がすさまじく綺麗★
ここまで見せつけられると、同じものを作りたくもなりますが、
ちょっと厳しいかな~なんて弱気にもなる、そんな台座でした。