京仏商谷口の日々雑録 京都市西京区の京仏具匠

本日、修理のために預かった厨子。




木瓜（もっこう）厨子です。
屋根の反り具合といい、木瓜の曲線といい、やはり既製品とは格段の差。

扉の八双金具も分厚く、しっかり作られています。


そして、

扉を開けてびっくり！




虹梁や蟇股の彫刻も目を見張る位すばらしいんですが、

今回は、正面の向板（むこういた）に見える幾何文に注目☆





さらにズームイン！




なんと・・・截金やないですか！

截金が残っている部分と、

剥がれ落ちてしまっている部分があって、

さらに、剥がれ落ちて、違う方向に曲がって残っている部分も確認できます。

截金が完全に剥がれ落ちてしまった部分も、その跡が残っています。
フノリや膠の接着材によるものでしょうか、その跡の線は太くなっています。　


あと、戸裏にもこの幾何文の截金跡が確認できました。

内部にはすべて截金が施されていたことになります。

なんと手間の入れた木瓜厨子なこと☆

いいものを見せて頂きました☆