日々雑録

ブツネタ34 「内刳り(うちぐり)」

2008/05/18(日) ブツネタ
現在、修理進行中の木造・阿弥陀如来像。

分厚く塗り替えられた後世の修理によって、制作当初の状態から程遠いお姿に変わってしまった阿弥陀さん。

保存状態も悪く、木地の状態まで戻す復元修理を施すことになり・・・

漆・下地の層を除去し、解体すると… 

“内刳り”が施されていました。

【写真は解体・木地補修後のもの、内刳りは下の写真】

この像は、身丈8寸の立像。

この大きさで内刳り♪ なかなか手間を入れたはる♪♪


内刳りとは…

木像の内部を空洞にすること。
それにより、干割れを防ぐことができ、大きな木像の場合は軽量化も図れます。

玉眼は、多くの像に見られますが、この大きさでの内刳りはあまり目にかかれません。

写真は、木地の修理が完了し、塗師に依頼する直前の写真。

解体した際は、頭部はもちろん、玉眼ですので顔もこめかみ辺りで離れました。

残念ながら今回のお像にはありませんでしたが、内刳りされている場合、像内に納入品が入っている場合があります。

像内納入品はいずれ、【yomoyama】で取り上げたいと思っています。



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