日々雑録
仏像修理のハ・ナ・シ37『修理か…新誂…③』(全4回)
2010/06/26(土)
仏像修理の話
だいぶ空いちゃいましたが、
修理のハナシⅩⅢ 『修理か・・・新誂か・・・①』
修理のハナシⅩⅢ 『修理か・・・新誂か・・・②』
の続きです。
・・・・・
光背は修理して、
台座は新誂・・・。
そして、ここに立たれる阿弥陀さんが、
こちら☆
いいお顔をされてますね☆
でも・・・
左足先がありません。
さらに、その周辺も損傷しています。
台座に目を向けると、
おおっ!
靴が脱げたかのように、台座に足先を忘れもの!
でも見る限り、右足とも作風が異なり、
後補のもの(新たに足されたもの)なのがわかります。
あと、
両手も明らかに後補のもので、
全体とのバランスがとれていません。
・・・ということで、
他にも多少の損傷はありますが、
台座・光背に手を入れるこの好機に、阿弥陀さんの損傷部の要所も
手を入れることになりました。
まずは、桧材で両手と左足先を彫ります。
右手は、既存の肘の部分に接着。
如来さんの手には、縵網相(まんもうそう)という水かきがありますが、
既存分にはありません。
今回の取り替え分には、縵網相を作っています。
(人差し指と中指の付け根を見るとよくわかります。)
仮に固定してみると、
こんな感じです。
欠損がみられた左袖口と、
左足先周辺にも木地修理を施し、
漆を塗って、
金箔を押します。
そして、古色を施し、阿弥陀さんの修理は完成に至ります。
両手と、左袖口、
左足先とその周辺を直してます。
直した箇所が気にならないでしょ?
次回は、『修理のハナシⅩⅢ』の最終話。
台座・光背も完成しましたので、
阿弥陀さんを立たせてみましょう。
次回☞修理のハナシⅩⅢ 『修理か・・・新誂か・・・④』(全4回)
記事一覧|2010年06月
- 10/06/28仏像修理のハ・ナ・シ38『修理か…新誂か…④』(全4回)
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