日々雑録

仏像修理のハ・ナ・シ12『お木仏の局部修復②』(全5回)

2008/02/17(日) 仏像修理の話
前回より続き…

修理の工程ですが、

最後の仕上げで、胴体と色を合わせる古色仕上を施しますが、言わば頭部のみの復元修復。

修理にかかるその前に・・・ちょっとしたアクシデント▼

接着が甘くて玉眼が外れても、構造上、お顔の内部に玉眼が落ちているはずなんですが、なぜか1躯の玉眼は見当たらない・・・。

ということで、無い分は、新たに玉眼を制作することに・・。


そして、まずは洗浄から。

ねずみ色の部分は下地。

その上から、黒の彩色をしています。

水に浸すと、膠の接着がゆるみ、木寄せ箇所が離れました。

下地を残らず除去し乾燥させ、木地の補修を行えば玉眼を取付けます。


・・・さて先ほど、あるはずの玉眼がないと申しました。まぁこれは、人為的なものですし、不思議ではないんですが・・・

なかには、「なんで?なんで?」と思うようなことが、修理の際によく出てきます。

そんな疑問を抱くような仏さんに出くわした時は、非常におもしろく、後にも記憶として深く残ります。

そんな疑問を、この神将さんは抱かせてくれはりました。


次回へ続く…






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