日々雑録
ブツネタ488「町のお地蔵さん建立のお話⑤」
さて、いよいよ第5話。オーラスです。
そのまえにおさらいです。
それでは、地蔵菩薩像の修復後からご紹介します。
まずは、台座から。
修復前は、総金箔押しでしたが、

修理後は、
上部2段を、白蓮華に仕様変更。


花弁の部分には水晶末を蒔いて、先をピンクで暈かし、
蓮肉の天場には渋めの緑青を蒔き、筋は截金で仕上げました。
白系の岩絵具にも多種ありますが、
やや透明感のある水晶末が、非常に上品なのと、截金ともよく合うので、
弊社では長年、水晶末+截金の白蓮華を製作しています。
などなど
蓮華より下側もイメージを一新して、
框は朱塗りにして、金具を新誂して華やかに。

そして、
もとは宝珠付きの輪光だった光背も
透かし彫りの舟光背に変更。

本躰は、
華やかな極彩色の衣にし、胸飾りを新誂。
衣の色は施主様のご希望を尊重し、配色しました。


立像7寸とは思えぬ存在感。
修復前と修復後を比較してみましょう。


それでは、完成の全貌です。
お地蔵さんといえば、提灯。
そして、付き物なのが幕。
提灯は、揺らぎのLEDを使用し、
暗くなると自動で点灯するセンサーを設置しました。
幕は、格子の窓から"卍"がわかるように抜染し
アーチ状に合うように製作し取り付けました。



スペース的には、間口も奥行も余裕がなかったのですが、
なんとか、まとめることが出来ました。
拘っていた賽銭箱も、
とってつけた感がなく、きれいに納まりました。
視覚的に賽銭箱というのがわかるようにしたかったのですが、
さらに、賽銭箱というプレート(兼・茶湯器台)を置きました。

あと、賽銭を投入したときに、
投げ入れたと実感できる音(硬貨が箱内に納まる音)が欠かせない思ってまして、
↓ 硬貨の投げ入れ音 ↓
https://youtube.com/shorts/zBfQVi9_G0s?feature=share
視覚的、聴覚的な拘りと、イタズラ等の防犯的なことを踏まえて
こちらの賽銭箱を設置しました。
そして、賽銭箱の前には、
個人的には今回の目玉でもある 打ち出しの卍金具も、ピッタリと☆


補足ですが、
石造のお地蔵さんではなく、木仏になるため、
風雨や盗難の予防には、かなり時間をかけて対策をしました。
さらに、近年の夏場の異常な暑さの対策としても
換気扇を設置し、風が循環するような造りとしました。

ということで、
開眼法要も無事に終え、いつでも手を合わせることが出来るようになりました。

京都市独自の「京都をつなぐ無形文化遺産」に携われたことは、
仏具屋冥利に尽きます。
今回、完成するまでに何度もお近くの方でしょうか、何回も声を掛けて頂きました。
町の安全と繁栄を願って、多くの方々の祈りの対象になることを嬉しく思います。
仏縁に感謝。
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