日々雑録
ブツネタ173 「久々☆木瓜厨子登場・・・」
2010/07/09(金)
ブツネタ
木瓜厨子が3月に登場して以来、音沙汰なし・・。
ブツネタ150 「木瓜厨子の木地完成★」
じっくりと、ゆっくりと仕事は進めておりました。
久々なんで、再度木地から登場です。
量産品が多く出回り、意外に格下扱いの木瓜厨子・・・
なんてことを、前にお話しました。
今回制作した厨子は、後の工程で作業がしやすいように、
これだけのパーツに解体できるようにしました。
木瓜厨子は、
木地の段階でも、胴と地覆(じふく)が接着されていることが多いんですが、
漆塗りの工程や、蝋色の工程のことを考えてバラけるように制作しました。
戸丈は2尺5寸。
開けっ放しとなる扉は、そこそこ重量があるので、
蝶番ではなく、軸廻しとし、軸部分は強度を考えヒバを使用しました。
格下扱いと何度も言ってますが、
結構手間の要る木瓜厨子。
木瓜の扉もこのように、
複数の材を接合して作られ、
接合度を高めるために、留接ぎも施しています。
あと、ちょっとしたことですが、
地擦り(じすり)ぶぶんの小足(こあし)は、
完成した後、移動の折に、引きずられることが多く、
多くの場合、“いも着け(接合部に接着剤のみ)”接着のため、
外れてしまっているのを多く見かけます。
今回の場合、塗り分け(小足のみ朱塗り)をするので、
塗師さんが塗りやすいように☆ というのもあるんですが、
後々の脱落がないように、小足にダボを入れました。
木地においては特に念入りに、毎回打ち合わせをしています。
ちょっとしたことですが、今回のポイントのひとつです。
では次回、完成した木瓜厨子の登場です。