日々雑録

仏像修理のハ・ナ・シ47『西派・台座光背の修復』(全1回)

2011/11/25(金) 仏像修理の話




前回、修理のハナシ22 では阿弥陀如来像の復元修理のお話でした。


今回は、その阿弥陀像の台座と光背の修理のお話です。






台座は、西派の本山型。

華盤の下には獅子の彫り。

蓮華は截金(きりかね)仕上げ。

正八角形の台座。










なかなか、拘りの感じる台座です。






一方、光背の方は、


身光がなく、頭光のみ。



八葉と、雲の彫りが入った輪光は良く彫れているのですが、

やはり身光がないのが気になります。




今回の修理では、

台座は、基本元通りですが、一部仕様を変更。

光背は、頭光は再利用し、身光は新たに制作することになりました。





錺金具を取り外した後、水に浸け下地を除去します。

立像1尺8寸5分の本山型台座。

台座のパーツの多さはなかなかのものです。

、

台座と、



光背(頭光)の彫刻の下地除去後です。



木地を傷めずに下地を除去。

思っていた以上に時間がかかりました。



この台座光背、実は谷口の初代が納めたもの。

昭和の中期制作のもので、

木地の状態は非常に良く、目立った損傷個所はありませんでした。



台座は接合をし直し、蓮弁にはダボを付けました。





蓮弁は岩緑青彩色のあと、截金を施すので、

蓮肉と蓮弁を別々で仕上げ、最終に取り付けます。



一方、光背のほうですが、



身光を尾州桧材を新たに制作。




火焔の透かし彫りを施し、

木地修理が完了した既存の輪光を取り付けました。



木地修理(身光は新調)が完了した後は、

塗師の手に渡り、胡粉下地のあと、漆を塗りあげました。






台座の蓮肉は蓮弁が取り外せるようにしていますので、

蓮肉にも箔押しで仕上げます。


段数の多い台座なので、小足は朱塗りにし、

お獅子さんは、この写真では不在ですが、

元は金箔だったのを岩彩色に仕様を変更することにしました。



箔押しが完了し、台座を組み上げ、光背を固定し、



截金が仕上がった蓮弁を取り付けて完了です。









阿弥陀さんを安置すると、



新調した光背とのバランスも◎








お獅子さんも良い存在感が出ました。







正八角の台座は、後ろ側にも全て金箔押し。



修理前と同仕様。

なかなか贅沢な仕様です。



さて、台座・光背の修理に際し、仕様を変更することは珍しくありません。


今回で言えば、

・光背(身光)の新補。

・台座獅子の仕様変更。(金箔押し→岩彩色)

・台座小足の仕様変更。(金箔押し→朱塗り)

・光背(輪光)の地すき部分の仕様変更。(彩色→砂蒔きの上、金箔押し)

・・の計4点の仕様変更をしました。


むやみに仕様を変更することはありませんが、

様々な修理や制作をさせて頂いていますので、

その経験を生かし、より良い仕上がりを考えながらご修復をさせて頂いています。

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