日々雑録
ブツネタ378「らもう♪らもう♪らもう」
羅網瓔珞(らもうようらく)のお仕事が重なりました。
3件重なったのですが、全て完納したのでまとめてご報告します★
そもそも羅網(らもう)ですが、阿弥陀経に
「又舎利弗、極楽国土、七重欄楯、七重羅網、七重行樹皆是四宝、周巾囲繞。」
とあり、
極楽は宝石で出来た囲いが張り巡らされている。
その囲いは宝石(四宝)で出来た網で、その網を羅網(らもう)という。
簡単に言えばこういった感じでしょうか。
そんな極楽浄土の表現し、堂内を厳かに演出する荘厳仏具が
今回ご紹介する羅網瓔珞(らもうようらく)です。
羅網の先は別世界★ そんな演出、そんな荘厳です。
羅網1件目は、
15年程前に内陣荘厳仏具を一式納入させて頂いた御寺院様にて、
両脇壇上の虹梁に、七宝焼きの羅網瓔珞を取り付けさせて頂きました。
取り付け前
取り付け後
取り付け前
取り付け後
七宝焼きの羅網瓔珞。
過去に何度か貴石繋ぎで羅網瓔珞を納入してきましたが、
仏具修理のハ・ナ・シ3『須弥壇・脇壇の修復④』
・・・メノウ・ホワイトオニキス・インドヒスイ
ブツネタ277「羅網瓔珞の納入」
・・・全て黄水晶
今回は、緑と紫の白のオニキス系の石で繋ぎました。
瑪瑙などのはっきりした色を使わない分、上品に演出できました。
続いて2件目。
こちらは25年程前に弊社が納入させて頂いた七宝羅網瓔珞。
こちらの写真は旧本堂。
本堂建替えに際し、羅網瓔珞をメンテナンスし、
新本堂に合わせて取り付けることになりました。
新本堂が全く違う造りとなり、
その吊り方を試行錯誤しながらも・・
新本堂の荘厳を違和感阿なく、うまく演出することが出来ました。
そして、3件目。
こちらは30年ほど前に納めさせて頂いた・・・
ご寺院様の内陣ではなく、一般在家様のお仏間。
仕込み仏壇の鴨居に取り付けた銅地透かし金具の羅網瓔珞。
すべて解体し、金属はメッキ替えし、
玉はPCから、貴石にグレードアップして繋ぎ替えます。
羅網瓔珞のほか、障子金具もメッキ替えと、紙の張替えをし
お盆を気持ちよくお迎え頂ける様、本日納入致しました。
3件の羅網瓔珞のお話でしたが、うち2件は修繕。
その場しのぎの荘厳具ではありませんので、メンテナンスをすれば、
永く厳かに、また品良く華やかに演出できるものだと再認識しました。