日々雑録

仏像修理のハ・ナ・シ19『基準寸法に合わせた改造①』(全5回)

2008/04/19(土) 仏像修理の話
完成度の高い阿弥陀如来像です。非常にいいお顔をされてます。(写真ではわかりにくいですが・・)
この度、お修理のご依頼があり、当社工房にやってこられました。

損傷具合は、お木仏は、指の欠損。

台座は、蓮弁の脱落と木寄せ箇所の遊離と剥落が、光背は数箇所剥落が見られました。

ですが、

そんなことよりも・・

この台座と光背は、実は別のもの。

正しくは、お木仏に対して光背は相応のもの(それでも若干小さめ)なんですが、

台座は全く寸法が基準と合ってません。仏さんに対して、台座が貧弱なのが写真でもわかります。

追記すると、光背と台座の彫刻の内容も違います。光背の雲渦上げ彫りは非常によく彫られています。 それに比べ、台座の内容は劣ります。

また、制作時期が違うことも判断できることから、

別の仏さんに使われていた台座を転用されたことは間違いありません。


転用するのに色々工夫をされているんですが・・・。(次回でご紹介します。)

写真:上 お木仏と台座・光背
写真:下 台座の蓮華上の足座
    (蓮華も基準より小さくて窮屈)

次回へ続く…


修理のハナシⅣ 「宮毘羅大将像の修理」

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