日々雑録

【yomoyama⑤ -宝相華-】

2008/01/15(火) yomoyama
宝相華(ほうそうげ)・・・仏具では、色々な部位にこの文様が登場します。

宝相華は、ササン朝ペルシア伝来の花文様を基礎に、中国の唐代に神仙の世界や仏教の極楽浄土などの空想の楽園に咲く花という概念により、さまざまな花の美しい部分を組合せて、作り出されました。

一言であらわすと「空想の花」ですね。

日本には奈良時代に伝わり、正倉院宝物にも、この文様が多く見られます。

特定の形は決まってなく、花や葉の形も多様ですが、時代によって次々と変化する不思議な花。

蔓状の植物を配して連続文様とすることが多く、宝相華唐草とも呼ばれます。

なぜ、「宝相華・ほうそうげ」と呼ばれるようになったかは、明らかではありませんが、2つの説があるようです。

①宝蓮華の意が、宝相華に理想化された。(宝蓮華とは蓮華の美称)

②仏桑華(ぶっそうげ・・・アオイ科の植物。中国南部の原産。和名ではムクゲ)がモチーフとなった。

どちらにせよ、いまいちピンときませんが、そういう説があるとのこと。

木地や金属の彫刻・彩色・蒔絵などで多く表現され、仏具業界では頻繁に口にし、耳にします。

もし、花屋に「宝相華」が売っていたら・・・一体どんな感じなんでしょうね・・。





写真上:宝相華唐草彫刻見本
    (上:木地・左下:箔彩色・右下:極彩色)
写真下:宝相華唐草透し彫りの光背

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