日々雑録

仏像修理のハ・ナ・シ56『阿弥陀如来像・白蓮華台座修理①』(全3回)

2014/05/03(土) 仏像修理の話





今回ご紹介する修理のハナシは・・




西本願寺(本願寺派)寺院様のご本尊とお台座・御光。


























ご覧の通り、均整のとれた阿弥陀さまです。


それもそのはず、足ホゾには


“康雲”さんの墨書き★








康雲さんとは・・・

ブツネタ182 「またお会いしましたね♪康雲さん♪」









台座・光背もよく出来ています。


江戸時代によく見受けられる作風ではありますが、


ひとつひとつ丁寧に製作されているのがわかります。








台座と光背は寸法も合っていますし、


作風も遜色ありませんが、





光背のホゾが明らかに合っていません。






よく見ると・・・




少し切ってありますね・・。


ほんと若干です。


光背と台座は同時期に制作されたものでないことがわかります。


ただ、作風に違和感はなく、


良いお仕事をされているのには変わりません。






今回のポイントは、この白蓮華でしょうか。


青蓮華が一般的ではありますが、


白蓮華もごくごく稀にございます。




さて、どのように修理されるのでしょうか・・。












さて、修理開始です。




まずは、水に浸け、下地の除去です。













膠で接着されていますので、水に浸けることで解体が出来ます。




また、下地は胡粉下地(膠+胡粉)なので、


ゆっくりではありますが、下地の接着力も弱まり、


下地を除去することが可能になります。




近年では、仏像の下地にまで、サフェーサーを使用される業者も多いと聞きます。


修理を考えておられないのでしょうか・・。


困ったもんです。


まあ、ヨソはヨソ。ウチはウチです。


子供のころ、母親によく言われました。








下地除去及び解体が完了です。


まずは、台座です。



















全て解体出来ます。




こちらは蓮華です。





蓮弁は1列が10枚の5段。 計50枚。




そうです、1枚亡失ということで、1枚は新補します。











で、こちらが阿弥陀さま。


木寄せの仕方も、標準です。






たまに、こういった独自の木寄せ方法で接合された仏さんもあるので、


解体するまで、何があるかわからないんです。













あと、こちらが光背です。









以後、木地修理に掛かっていきます。





次回


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