日々雑録

ブツネタ378「らもう♪らもう♪らもう」

2015/08/10(月) ブツネタ




羅網瓔珞(らもうようらく)のお仕事が重なりました。

3件重なったのですが、全て完納したのでまとめてご報告します★




そもそも羅網(らもう)ですが、阿弥陀経に

「又舎利弗、極楽国土、七重欄楯、七重羅網、七重行樹皆是四宝、周巾囲繞。」

とあり、

極楽は宝石で出来た囲いが張り巡らされている。
その囲いは宝石(四宝)で出来た網で、その網を羅網(らもう)という。

簡単に言えばこういった感じでしょうか。


そんな極楽浄土の表現し、堂内を厳かに演出する荘厳仏具が

今回ご紹介する羅網瓔珞(らもうようらく)です。

羅網の先は別世界★  そんな演出、そんな荘厳です。





羅網1件目は、

15年程前に内陣荘厳仏具を一式納入させて頂いた御寺院様にて、

両脇壇上の虹梁に、七宝焼きの羅網瓔珞を取り付けさせて頂きました。




取り付け前




取り付け後




取り付け前




取り付け後








七宝焼きの羅網瓔珞。


過去に何度か貴石繋ぎで羅網瓔珞を納入してきましたが、


仏具修理のハ・ナ・シ3『須弥壇・脇壇の修復④』 

・・・メノウ・ホワイトオニキス・インドヒスイ


ブツネタ277「羅網瓔珞の納入」

・・・全て黄水晶



今回は、緑と紫の白のオニキス系の石で繋ぎました。



瑪瑙などのはっきりした色を使わない分、上品に演出できました。






続いて2件目。

こちらは25年程前に弊社が納入させて頂いた七宝羅網瓔珞。











こちらの写真は旧本堂。


本堂建替えに際し、羅網瓔珞をメンテナンスし、

新本堂に合わせて取り付けることになりました。



新本堂が全く違う造りとなり、

その吊り方を試行錯誤しながらも・・








新本堂の荘厳を違和感阿なく、うまく演出することが出来ました。




そして、3件目。

こちらは30年ほど前に納めさせて頂いた・・・

ご寺院様の内陣ではなく、一般在家様のお仏間。



仕込み仏壇の鴨居に取り付けた銅地透かし金具の羅網瓔珞。






すべて解体し、金属はメッキ替えし、

玉はPCから、貴石にグレードアップして繋ぎ替えます。











羅網瓔珞のほか、障子金具もメッキ替えと、紙の張替えをし

お盆を気持ちよくお迎え頂ける様、本日納入致しました。



3件の羅網瓔珞のお話でしたが、うち2件は修繕。

その場しのぎの荘厳具ではありませんので、メンテナンスをすれば、

永く厳かに、また品良く華やかに演出できるものだと再認識しました。



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