日々雑録
ブツネタ300 「幢幡☆箔押し~完成まで★」
幢幡・・。 その仕様に依るのですが、結構な手間と時間を要します。
①木地
↓
②錺金具型取り(以後制作)
↓
③木彫
↓
④漆塗り(下地)
↓
⑤彩色(本体にもりあげ)
↓
⑥漆塗り
↓
⑦金箔押
↓
⑧彩色(彫刻に彩色)
↓
⑨錺金具打ち、仕立て
・・と、簡単に言うとこういった流れなんですが、
ブツネタ282 「幢幡に盛上げ(もりあげ)」 では、
漆塗りまでをご報告しました。 その後は、箔押師の手に渡り、
全体に金箔を押していきます。
金箔の接着は漆。
上の写真は摺り込んだ漆をムラなく拭き取っているところです。
僅か表面に残った漆で金箔を接着させます。
下の写真が金箔を押しているところですね。
さて、幢幡の上幡(かみばた)と呼ばれる部分。
木地段階での写真で説明しますと、
この部分。
この上幡には、二重の枠がありますが、
内側には切り抜いた文字を入れることは、
ブツネタ279 「幢幡(どうばん)製作中★」 でご紹介しました。
その後、この通り、文字を抜きました。
この抜いた文字には群青の岩絵の具を蒔き、
その後は改めてご紹介するとして・・・、
一方、外側には、
唐草の彫刻を施し、
こちらにも漆を塗り、金箔押し。
その後、淡く彩色を施し、
これを、6面×2の12面に取り付けていきます。
さて、ここまでは慣れたもんなんですが、
今回少々苦労したのが、抜いた文字の上幡への固定。
文字が一筆書きであれば、比較的楽な作業になるのですが、
ご住職の書かれた原稿通りに文字を抜きましたので、
文字がそれぞれ独立。 さらに文字自体が複数パーツから
構成されているものもあったりして、なかなか手間が要りました。
字を置くところは、金箔+漆+下地を除去して木地を出し、
そこに接着剤を付けて接着。
小さいパーツには接着面積が狭いので、針を埋めて固定させました。
幢幡の上幡への文字入れは、“盛りあげ”で表現されることも多いですが、
文字抜きしたほうが、文字がはっきりと浮き出て、断然格好が良いです。
うん、断然格好が良いです☆
そんなこんなで完成に至り、先日納入を済ませてきました。
瓔珞は木製ですし、
中幡、下幡の“盛りあげ”、上幡の文字など、形はオーソドックスながら、
拘って制作させて頂きました。