日々雑録

モノづくりの現場から2「座彫師の工房から」

前回に引き続き、座彫師の工房からです。

 

こちらの座彫師さんは、お弟子さんはおられません。
お一人でお仕事をされています。

弊社の職人さんは、お弟子さんをとられず、
お一人でされている方が比較的多いように思います。

良い点は、品質が安定すること。
お弟子さんの手によって、仕上がりが変わることはありません。

悪い点は、納期に無理がきかないこと。
お一人でされる限り、時間の短縮(融通)がききません。

私が伺うことによって、効率が上がる訳ではありませんが、

スパンが長くかかる職人さんには定期的に進み具合を把握するために
工房に顔を出します。

台座の地覆です。一番下の部分です。

この座彫師さんの彫刻にはいつも驚かされます。
切れ味抜群。

ここまで動きのある、深さのある彫刻はなかなかできません。

塗り下(漆箔)の場合、

下地の工程を経て、彫刻が埋まって台無しになる場合がありますが、
そんな心配のない彫刻です。

火焔宝珠はまだ彫れていませんが、

カドの雲の彫り(青点線)や、宝珠の地すき具合(黒点線)を見て頂ければ
なんとなくわかっていただけるかと思います。

さて、12月というのに暖かい日が続いています。

二階に増設した部屋には、三方に大きな窓があり、
そこから陽が入り暖かく、暖房なしでやっておられました。

また陽が入ることで明るく、彫刻するのに適した工房です。

弊社は、陽があたらず、特に冬場は寒くて困ります。

陽のあたる京仏商谷口でありたいな・・・


今日も座彫師さんの工房よりお届けしました。。

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