日々雑録
ブツネタ282 「幢幡に盛上げ(もりあげ)」
2012/03/19(月)
ブツネタ
2週間程前に幢幡(どうばん)の制作報告をさせて頂きましたが、
ブツネタ279 「幢幡(どうばん)製作中★」
先に塗り上がった上幡(かみばた)に続き、
中幡(なかばた)と下幡(しもばた)も漆が塗り上がりました。
中幡、下幡には“盛上げ”を施しました。
盛上げとは、胡粉(ごふん)と鉛丹(えんたん)を膠で練ったものを
筆で塗り重ねて、模様を表現し立体的に見せる技法のこと。
仏像の衣の文様表現でよく用いられ、
仏具では、バレンのつく天蓋や今回のような幢幡のほかに、
柱などの巻き下げにも盛上げは用いられます。
(お木仏の衣部分に施した盛上げ)
(盛上げを施したバレン)
(迎門柱の巻下げ。金箔の部分が盛上げです。)
さて、今回の幢幡の盛上げですが、下幡には、宝相華唐草を。
中幡には、今回初挑戦となる七宝繋ぎの図案を採用★
彩色師さんが丁寧な仕事をしてくれはりまして、いい感じに仕上がりそうです☆
漆が塗り上がると・・ 下幡はこんな感じ。
そして、中幡はこんな感じに。
組み合すとこんな感じ。 上下は逆ですが。
次の工程は金箔押し。
どのように仕上がるか今から楽しみです。