日々雑録
仏壇修理の話4『京仏壇(板内2尺7寸/浄土)①』(全2回)
2012/08/03(金)
仏壇修理の話
仏壇のご修復に取り掛かったのが今年の2月。
ブツネタ272 「仏壇の修復★まずは金具外し」
鋲を抜いて金具を取り外した頃に、ブツネタでご紹介しましたが、
それ以来、更新が出来ていませんでしたので、2回に分けてご紹介します。
板内2尺7寸の京仏壇。
通し屋根入り、前開き、浄土型。
雨戸、障子の金具のあと、
仏壇内部の金具も取り外し、
雨戸分は漆の焼付けによる色付替え、
それ以外はメッキ替えを施します。
仏壇自体は解体して洗浄。 薬品を使用し、汚れを落とします。
洗浄後に、再度組み直し、修理の必要な箇所を確認します。
今回の仏壇は、比較的損傷は軽いものの、
雨戸や障子、膳引き、引き出し等、塗り膨れて支障が出ないように、
削って厚みを落とします。
あと、このお仏壇のポイントの1つである下段。
欅の木地蠟色(きじろいろ)。
木目が透けて見せる仕上げですが、
このままの状態で、同様に塗り上げると支障が出るので、
塗り面を削って、木地に戻します。
木地修理が完了すると、塗師屋さんの手に渡り、
堅地下地の上、砥ぎ。
中塗りを経て、上塗り。
堅地ですので、乾燥に時間を掛ければ掛けるほど、より堅牢な仕上がりになります。
その点はしっかりと時間を掛けさせて頂きました。
上塗りの蠟色漆塗りが完了し、
次工程の蠟色師さんの手に渡る前に、当社工房で検品し、仮組み。
塗り上がってから仮組みを行うことで、
最終の組み立てにおいてのリスクも回避でき、
この工程が、非常に需要になってきます。
蠟色、箔押しを経て、組み立ての工程を経て完成に至るまでは、
次回ご紹介いたします。
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