日々雑録

仏像修理の話67『後世の修理による変遷③』(全3回)

2016/04/06(水) 仏像修理の話





更新が出来ておりませんでした・・。




前頁からの続きです。




ご本尊の阿弥陀如来像は、
現状を保存する形をとり、剥落箇所を直したり、補彩を施すのみとし、


一方、台座と光背は、
下地を除去し解体する復元修理、
また後世の修理による調和の取れていない箇所の改造を施しました。




踏み割り蓮華には截金(きりかね)を施し、
踏み割り蓮華のグレードを上げると共に、ご本尊を引き立てました。










また、既存のお厨子に関しては、


熟考した結果、ザ・ラザラの黒の変わり塗り、
内部をプラチナ箔の2度押しで仕上げました。














艶のある鏡面の漆塗り仕上げというのが一般的ではありますが、
この厨子には艶を消した変わり塗りで仕上げました。


扉を開けた厨子の存在が大きくならぬよう白壁と同化するように、
また復元修理した台座光背とご本尊のコントラストをはっきりさせるために
内部にはプラチナ箔で仕上げました。




こちらは修理前。







そしてこちらが修理後です。





灯篭も、縦長の厨子に合う胴長の厨子に替えさせて頂きました。





プラチナに映る吊灯篭の黄色い灯りが上品です。




大きな仏間に立派なご本尊。
そしてご本尊を祀るオリジナルな厨子。


代々継承してこられたものを如何に伝え残すか。


それをプロデュースさせて頂くのが私どものお仕事だと考えております。









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