日々雑録
ブツネタ64 「拭き漆の今♪昔♪」
2008/09/19(金)
ブツネタ

納めてから、5年以上経ちますでしょうか・・・。
欅板に文字を彫って、拭き漆にて仕上げました。
拭き漆とは、漆を塗っては拭き取るという作業を何度も繰り返し、美しい艶を作り上げる技法です。擦り漆とも呼ばれます。
この御詠歌額は、お堂の外に安置されています。
漆は紫外線に弱いという短所を持っていますので、外に安置される場合は、
どうしても、漆の塗膜が劣化して、艶が無くなってしまいます。
そのため、その塗膜の層をより強固にするため、拭き漆の回数を増やして仕上げたのが、《下の写真》。納める前に撮影したものです。
パッと見、春慶塗りのような感じでしょうか・・・
フラッシュを点けての撮影です。フラッシュを点けないと春慶どころか
溜蝋色・・・?とさえ思わせる仕上がりです。
その春慶はたまた溜蝋色のような額が、今は《上の写真》に。
まだまだ、艶のある拭き漆らしさが感じられます。
仕事の内容によって、その違いが正直に出てくる典型といえます☆
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