日々雑録

仏像修理のハ・ナ・シ57『阿弥陀如来像・白蓮華台座修理②』(全3回)

2014/05/08(木) 仏像修理の話





前回からのつづき・・




下地を除去して解体し、木地に戻すところまでご紹介しました。








その後、お木仏は、玉眼を嵌入。




レンズを取付け、


内部から瞳を描き、







綿をあてる。


これが白目の表現になります。









あて木で綿を押さえ、





 


竹釘で固定。









レンズの丸みとか、


あて木の嵌り具合とか、きっちりとした仕事をされています。








こちらは胴体の内刳り箇所。


墨書きにて記録を残されました。










そして、木地修理が完成です。











台座・光背もこの通りです。
















蓮華(蓮弁)は、後の工程で作業がしやすいように、









蓮弁にはダボ式で固定が出来るようにしました。


(矢印の1枚は新調分です。)






その蓮弁は、修復前と同じく白蓮華としますが、


金線は、截金で仕上げます。






蓮肉と蓮弁を胡粉下地。









蓮肉の蕊は、漆を塗り、







金箔押し。









蓮弁には、水晶末を蒔いて、先をピンクに暈かし、截金仕上げ。




















続いて、お木仏ですが、




下地を付ける前に、和紙を貼って補強。












胡粉と膠の下地や、







砥の粉と膠の下地を使い分け、


ヘラ付けし、砥石で研いでいきます。















十二分な下地の工程が完了すると、


ようやく漆塗り。










いわゆる肩つぎの阿弥陀さん。


右肩の部分だけは、まだ漆を塗っていません。







接合してからでは、奥まで金箔を押せないので、


このように肩のラインで離して、







内部を先に、箔押しして







固定しちゃうんです。


この後に、右肩の接合部の筋を、


下地で補整して、漆を塗り、全体を箔押し。(肌の部分はさらに金粉を蒔く)




理にかなった方法ですね。


塗師 → 箔押師 → 塗師 → 箔押師


と何度も往復することになり、手間は掛かりますが、


きっちり仕上げるのにはこの方法がベストです。





台座と光背も同様に仕上げ、





 













次回は、いよいよ修復後をご紹介します。





































































































































































































































































































































































































































































































































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