日々雑録
ブツネタ174 「木瓜厨子とハーフ&ハーフ」
2010/07/12(月)
ブツネタ
前回からのつづき・・・
完成した木瓜厨子です。
良いですな~♪
全体のバランスも☆
塗り・蝋色の仕上がりも☆
あと、
この小足も☆
通常よりも大きめにした小足は、
朱漆を塗り、存在感を出しました。
前回もお話ししましたが、小足はダボ式にしてますので、
単体で漆を塗れて、塗り上がりもキレイ☆
地覆(じふく)に小足を接合したままですと、
塗り分けするのに、際(きわ)がここまではきれいにいきません。
あと、今回のこだわりをもう1つ★
それは、胴の厚み部分。扉軸のすぐ後ろ側です。
ここです。ここ。
ちょうど厚みの半分で、
“金箔”と“黒漆”に分けています。(自称★ハーフ&ハーフ★)
軸廻し式にすると、
どうしても胴と扉に隙間が出来ます。
ですから、先程の胴の厚み部分を、
例えば、全て金箔にしてしまうと、
扉を閉めた時に、胴の厚み部分の金箔が見えてしまいます。
ですが、
★ハーフ&ハーフ★で・・・
この通り、いい感じで黒一色。
逆に、
胴の厚み部分を黒塗り(金箔を押さない)にしてしまうと、
扉を開けた時に、
内部が金箔なのに、戸軸の後ろ側に黒がちらっと見えてしまします。
★ハーフ&ハーフ★でしたら、内部は統一して金箔になります。
塗師さん・蝋色師さん・箔押師さん皆の協力で
うまいこと仕上がりました☆
(今回は、扉絵を描かれる彩色師さんからのご依頼で、
この厨子を制作させて頂いたので、扉絵にはモザイク処理させて頂きました。)
あと、追記するなら、
定木・打掛け金具は再利用。
僅かながらのコストダウンをしました。
あとは、納品です。
喜んで下さるでしょうか・・☆