日々雑録
ブツネタ329 「これが京仏壇だ!」
2013/05/05(日)
ブツネタ
京仏壇
浄土型 出迎門
板内一尺八寸
では、先日納めさせて頂きました京仏壇の完成をご紹介します。
このしゃしんですと、少々わかりにくいですが、
この写り込みを見て頂ければ、
塗り、そして蝋色の完成度の高さがわかって頂けるでしょう☆
そして、あまり日の当たらない雨戸金具を今回ピックアップ☆
八双と蝶番の彫りは、唐草だけでなく花入り☆
漆の焼付けもいい色で仕上がっています。
雨戸を開けると、見所満載なんですが、
まずは、障子の紗から。
本金の竹屋町唐草です。
手織りです。金糸と色糸の組み合わせが上品でしょ。
やっぱり京仏壇はこうでなきゃ☆
そして、障子の腰には、“宝尽くし”の蒔絵
打出の小槌、珊瑚、隠れ蓑、巾着、鍵
七宝、巻物、隠れ笠、勾玉、宝珠、分銅、軍配
宝尽くし文様、好きですね。
見ていて楽しくなります。
障子と膳引きには、銀のつまみ☆
こういったところが、京都らしい☆
ワンポイントが格好いい☆
前狭間は“雲に鳳凰”
消粉(金粉)で仕上げて淡彩色で仕上げています。
では、ようやく障子を開けましょう。
下段は、欅の無垢板を使用し、木目を生かす“木地蝋色仕上げ”
写真ではわかりにくいですが、
もう少し時間がたてば、木目がはっきりしてきます。
下段の引き出し3杯には京名所の蒔絵。
高欄や須弥壇の彫刻など、繊細かつ丁寧な仕事が垣間見れます。
そして、最大の見せ場である出迎門。
木地、彫刻、漆塗り、蝋色、金箔押しの工程において、
全ての工程において、良い仕事がされた結果、
このような素晴らしい仕上がりとなる訳です。
さらには、蒔絵、カザリ、彩色にてより素晴らしく仏壇を演出。
京仏壇の製作は年々減少し、
京都のレベルを維持することは厳しくなっています。
その中で、より品質の良いものを
ご提案できるよう、日々自己研鑽していきたいと思います。