日々雑録
ブツネタ301 「こだわりの人天蓋が完成」
2012/06/11(月)
ブツネタ
角型の人天蓋が完成しました。
何度も制作している形ですが、今回は少し仕様を変えました。
その内容は後ほど。
まず木地が完成した後に、彫刻を施しました。
内部の八葉、笠上に付く宝珠の火焔、
そして、通し彫りの宝相華唐草の彫刻。これは両面彫りになります。
本体と平行して、この彫刻も工程を進めていきます
八葉の蓮華は、
胡粉下地で蕊(しべ)に箔下漆塗り、
蕊に金箔を押して、
岩彩色を施す。
通し彫りの唐草は、
漆塗りの後、金箔押し。
その後に、箔彩色を施しました。
あと、火焔宝珠はこんな感じです。
お次は、今回仕様を変えた部分。
唐草の彫刻上に2つ付いた連子窓。
これが今回仕様を変えた箇所です。
連子の棒が枠1つに19本。
枠は8つあるので、合計152本。
その連子棒を“彩色”と“金箔”で塗り分けて仕上げ、
枠に取り付ける☆
1本1本を固定するこの連子窓仕様にすると、
これに関わる工程の職人さんからすると、なかなか面倒な仕事になりますが、
皆、丁寧に仕事をしてくれはりました。
で、完成し納入・取り付けをしますと・・・
このように納まりました。
連子窓にすることで、光が内部に漏れます。
両面彫りの唐草の彫り、岩彩色がされた蓮華の彫刻、
それぞれが天蓋内部を華やかに演出☆
幢幡同様、人天蓋にも木製の瓔珞を下げました。
無事に取り付けが完了しました。
制作させて頂くどの仏具にもテーマや拘りを持つのですが、
今回の幢幡と人天蓋は一層の強い思いがございました。