日々雑録
ブツネタ241 「金華鬘の制作」
2011/06/09(木)
ブツネタ
小さな金華鬘(かねけまん)を制作しました。
西本願寺派の御宮殿内・御本尊前に取り付ける華鬘です。
華鬘とは、花の輪をかたちどった飾り物を意味し、
元は生花であったものが、金属等で制作するようになり、
荘厳具として定着するようになりました。
その多くは団扇状のものが多く、
今回制作した華鬘もその形状で、肩部分を木瓜にしました。
華鬘の形状の銅板を用意し、
図案を用意して、糸鋸で柄を抜き、たがねを使用して、
模様を彫り、やすりで整えるとこんな感じに。
唐草の部分に毛彫りが施されました。
銅の透かし彫りの地板の他に、
別パーツとなる紐房、地板を巻くヒモ等も全て錺師さんによって作られます。
その紐房部分。
華鬘では付き物なんですが、
正式には、総角(あげまき)結びと呼ばれます。
昔の人々は、花は生命の象徴とされ、
花形の文様は衣服や調度品に、総角結びがつけられていました。
その名残が華鬘にも見られるのでしょう。
瓔珞は平枠と三枠を交互にして、
最後に袋鈴を付けます。
最終、消メッキを施して、
組み立てれば、完成。
瓔珞は、シンプルに水晶と瑪瑙の貴石で繋ぎました。
この華鬘なら、御本尊も引き立つはず★