日々雑録
ブツネタ182 「またお会いしましたね♪康雲さん♪」
2010/09/15(水)
ブツネタ
ありがたいことに各地の得意先様から
仏像及び台座・光背の修理をご拝命いただいております。
様々な仏像、肖像が当工房にやってこられますが、
最も多いのは、浄土宗系のご本尊となる阿弥陀如来像でしょうか。
現在も、
浄土宗、真宗本願寺派の阿弥陀如来像を修復中です。
そのうちの1躯、本願寺派の阿弥陀如来像には、
右足足駄の外側に「康雲拝見」の墨書き銘。
そして左足足駄の外側にはこの落款。
この「康雲」の墨書きを見るのは今回で5度目。
過去に3度修理をさせて頂き、今回が4度目の修理になります。
以下は、過去3度の修理でお預かりした康雲さんの足駄です。
こちらは、初の康雲さん。
こちらは、2回目。
そして、3回目。
4躯共、右足に墨書銘、左足に落款。
2躯目と3躯目なんかは、康雲の字体や書かれている位置もほぼ同じ。
今回修理分の「康雲拝見」というのは、
「拝見」ということだけあって、
実際に康雲さんが制作されたというより、
、“正式な阿弥陀さんですよ”と点検されたということかもしれません。
まだ5躯ですが、
康雲さん作の特徴、
例えばお顔の特徴であったり、髭であったり、光背であったり、
そんなのが見え隠れしているのが、たまらなく面白かったりします♪
康雲仏師は、京都は岡崎に住む、
江戸時代に活躍した仏師さんで、正式には「渡辺康雲」。
明確なことはわかりませんが、
元禄期に活躍した仏師と紹介されている事が多いですが、
江戸期全般において活躍していたとも云われ、
何代か襲名されていたのかもしれませんね。