日々雑録
仏像修理のハ・ナ・シ29『耳の損傷』
2009/04/02(木)
仏像修理の話
ドラえもんがネズミにかじられて耳がないのは有名な話。
野球解説者・江川卓さんが高校時代、
高校生離れした投球と、耳の大きな顔が漫画「怪物くん」の主人公に似ていることから、
「怪物くん」と呼ばれていたのも有名な話。
そして、仏さんの耳は福耳で、耳朶(耳たぶ)には穴があいているのも有名な話・・・
これは耳朶環状(じだかんじょう)と言って、
仏さんの身体に備わる特徴のひとつなんです。
こちらは、当社にやってこられた阿弥陀如来像。
両耳とも損傷し、痛々しいです。
こういった、耳や指などの繊細な彫刻部分は、
非常に傷つきやすく、お手入れされる場合には特に注意が必要です。
損傷したままでは、仏さんもお気の毒ですし、
このように、欠損部のみを新補。
こういった局部の修理ですと、掛かる費用も少なくてすみます。
この後、新補部分に漆を塗って、箔押し、古色彩色を施します。
記事一覧|仏像修理の話
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