日々雑録
仏像修理のハ・ナ・シ31『光背の損傷』
2009/07/17(金)
仏像修理の話
今回は光背です。
舟型で、宝相華唐草文様の透かし彫りが施された光背。
その光背・・・
上部が損傷してしまっています。
現状をそのままに、損傷した部分のみを修理します。
幸い、欠損部の破片は失われることがなかったので、
新たに新補する部分も最小限度で済み、接合し直して、
損傷部には亀裂が残るので、漆を繕って・・・
金箔を押して・・・
最後に古色です。
立派な透かし彫りの光背ですが、強度は弱いので取り扱いには注意が必要。
こちらで、立像8寸。
宝相華透かし彫りの光背。
制作当時、想いを持って作られたことだと想像します。
修理方法は損傷具合によって様々ですが、
施主様のご意向も踏まえて、最適な修理方法をご提案させて頂きました。
記事一覧|仏像修理の話
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