日々雑録
ブツネタ464「春日型厨子のご縁」
2021/06/13(日)
ブツネタ
さて、日頃は製作側の投稿が多く、店内の画像をお出しすることは少ないのですが、
弊社には仏壇の展示を1階フロアと2階フロアに多数展示をしております。
こちらの画像は、弊社の1階フロア。
ただし、こちらは 17,8年前の画像になります。
懐かしいお仏壇もございます。
今では展示台数も増え、このころのほうが空間にゆとりが感じられます。
さて、今回はこの画像の端にちょこっと写っている桧の厨子。
この厨子にご縁がありましたので、ご紹介いたします。
春日型厨子
尾州桧材で製作していますが、塗下用の木地。
木地のまま納めるのではなく、下地を施し漆を塗って仕上げる用の仕様です。
塗下用になると、
下地や漆を塗って仕上げるための、塗りシロ(下地や漆によって増える塗厚)
を考えての構造になっています。
側面の扉も開く三方扉で、
下の台(厨子用の礼盤)も製作しておりました。
バランスの良い造りで、
礼盤も四隅にシンプルな高欄を付けた、弊社のとっておきの厨子だったのですが、
お客様が大変気に入られて、
塗用の木地なのですが、木地のままで良いとのことで、
初めは当方もお断りをさせて頂いたのですが、その熱に押され。。
本来であれば、蝋色で仕上げ、
塗分けをどうしようか考えたいところではありましたが、
長年展示していたお厨子を、熱心に分けて欲しいという巡り合わせにご縁を感じました。
外寸、内寸がばっちり当てはまることは少ないので
製作事例の厨子を含め、これまで製作した厨子は、
中に納まる仏像や位牌などの大きさに応じて、一から製作するのが殆どです。
今月中に、桑の隅切春日型厨子が完成します。
納入が完了しましたらご報告いたします。