日々雑録
仏像修理のハ・ナ・シ6『弘法大師像の復元修復①』(全5回)
2007/11/12(月)
仏像修理の話
今日から5回のシリーズで『復元修復』についてご説明させていただきます。
前に『現状維持修復』のご説明をさせて頂きました。お像の歴史(古さ)を消すことなく損傷箇所のみを修理し、現状をより安全に後世に伝えるための修復方法。
一方、『復元修復』というのは、下地や彩色(もしくは下地と漆箔)を洗浄し木地の状態まで戻し解体、木地の修理を施します。『現状維持修復』との大きな違いはここにあり、仏具店の大半がこの修復方法を取ります。
今までに多くの仏像修復にご縁を頂きましたが、お像の状態は皆様々です。そして施主様側のご意向も様々。あらゆる角度からの修復が必要とされます。
『現状維持修復』と『復元修復』それぞれに修復の利点がありますが、根本的な趣旨がそもそも違います。『復元修復』のご説明を進めながら、『現状維持修復』との比較をして頂ければ、その違いが明確になると思います。
写真は、『復元修復』させて頂きました弘法大師像です。
次回より、その修復工程のご説明をさせて頂きます。
写真上:修復前
写真下:修復前
次回へ続く…
記事一覧|2007年11月
- 07/11/30【yomoyama② -玉眼-】
- 07/11/29ブツネタ7 「何をつくってるのでしょうか??」
- 07/11/27ブツネタ6 「ちょっとした楽しみ♪」
- 07/11/26Watakushi的4 「がんばれ、東宝公楽!」
- 07/11/26ブツネタ5 「金色の仏」
- 07/11/21【見仏★記vol.3】 おんりーわん朱印
- 07/11/20ブツネタ4 「何を持たれますか??」
- 07/11/17【見仏★記vol.2】 拝啓、稲房様・・・
- 07/11/16仏像修理のハ・ナ・シ10『弘法大師像の復元修復⑤』(全5回)
- 07/11/15仏像修理のハ・ナ・シ9『弘法大師像の復元修復④』(全5回)