日々雑録
仏像修理のハ・ナ・シ40『座像5寸の阿弥陀像①』(全5回)
2011/07/02(土)
仏像修理の話
ブツネタ239「いかんせん修理」で登場した阿弥陀如来座像とその台座光背。
この後は、『修理のハナシ』に場所を替えてご紹介していきます。
さて、座像5寸の仏さんですから、非常に大きなお仏壇に祀られていました。
今回、半間(90㎝)の仏間を造られ、そこに合うお仏壇に買い替えられ、
仏像・光背は既存品を修理して使用するものの、
台座は新しい仏壇内に納まるように新規に制作しました。
光背は、W下地の層を除去し、木地に戻し、
再度、木地を接合し直して木地修理。
台座は、もとの台座の半分以下の高さにしなければ、
仏壇内に納まらないので、
六角の木瓜型の框に、彫り出しの蓮華と反花という簡素な台座にしました
反花、框座が若干、尻つぼみにはなりましたが
仏壇内に納めると、
なかなか良いバランスになりました。
光背の先も隠れることなく、
基準より大きな仏さんではありますが、違和感もなさそう。
須弥壇上の高欄や柱にも支障なし。
漆箔や錺金具を施し、多少現状より膨れることになりますが、
擦れたりすることがないよう僅かな空きもあって問題なし。
台座・光背は、次工程の塗師の手に渡り、
仏の修理に掛かっていきます。