日々雑録
ブツネタ253 「完成☆THE・鬼面卓★」
制作期間 約6ヶ月。
試行錯誤の末、ようやく鬼面卓が完成に至りました。
まずは、前回からの続き・・・。
花丸の彫刻に金箔を押したところまでご紹介しましたが、
そこに淡彩色を施しました。
菖蒲、桜、牡丹、梅、百合
菊、蓮、紫陽花、睡蓮、椿
桔梗、河骨、藤、水仙
四季の花、春夏秋冬が分散するよう、
あと、淡彩色とはいえ、色合いの事を考え、花の種類を厳選しました。
そして前回、漆が塗られた鬼面をご覧いただきましたが、
その後、金箔を押し、彩色を施しました。
以前にもお話しましたが、
お顔も少し変化を持たせ、
玉眼で表現した眼は、瞳の位置を微妙に変えて、
表情に違いを持たせました。
阿形の鬼面は、口内を貫通させ、
舌や奥歯も、よりリアルに表現。
そして、錺金具を取り付け、
花丸・鬼面・唐草の彫刻を固定し、本体を組み立てて完成★
大変満足いく仕上がりになりました★
框幅4尺1寸。非常に小振りな鬼面卓ですが、
拘りを凝縮し制作させて頂きました。
花丸の彫刻
鬼面の彫刻
本体に取り付けるまで、
全体のバランスを心配していましたが、
非常に良い感じになりました。
実際、木地の段階で、鬼面の木取りの大きさを非常に悩みました。
制作機会の非常に少ない鬼面卓。
鬼面にインパクトを持たすものの、本体に対して鬼面のバランスが合わなければ、
鬼面の彫刻が素晴らしくても、鬼面卓としての仕上がりは悪くなります。
ですので、木地師さんや彫り師さんとの打ち合わせも何度も行いました。
これは、その打ち合わせの際に活躍した鬼面木取りの図面。
木地師さん、彫り師さんの協力もあり、非常に良いバランスになりました。
この図は思い出に残しておくことにします・・。
あと、後面は箔押しにはしておりませんが、四方造りとしているので、
隅金具は四方打ちとしました。
錺師さんにも頑張ってもらいました。
引違い戸の引手金具は、漆焼付けのものを使用。
ちょっとしたことですが、付いてる方が高級感があるでしょ。
さて、鬼面卓絡みのブツネタは今回で最後。
制作機会が少ないだけに、非常に苦戦しましたが、
無事に完成及び、納入出来て、ホッとしております。
非常に良い勉強になりました。
ご拝命頂き、有難うございました。