日々雑録
ブツネタ302 「象と鯨と水牛と。」
2012/06/13(水)
ブツネタ
さて、今回は先日仕上がった磬(けい)台のご紹介です。
磬架(けいか)とも言います。
形状は古代型。
黒漆塗りの蠟色研ぎ出し仕上げ。
金具と磬紐に存在感があるので、彫刻が無くても立派に見えますし、
シンプルなので好きな形でもあります。
紐房は正絹。
ブツネタ293 「見台★完成しました。」 でご紹介した見台とは、
足の形を合わせています。
で、今回は磬(けい)の撥(ばち)にも触れておきましょう。
今回お付けしたのは、象牙の撥。
入手難な象牙の撥は、価格が高騰しています。
一方こちらは水牛の角の撥。 柄は樹脂製です。
撥の多くはこちらではないでしょうか・・。
象牙と水牛では価格の差は歴然。
ただし、磬の音色となると、僕にはその違いは・・・わかりません。
ちなみにこの象牙の撥。 柄は紫檀材。
樹脂と違い立派で格好が良いですが、
樹脂のようにしならないという欠点があります。
象牙+樹脂の柄という選択もありますが、
こんな組み合わせもあります。
この柄は・・・ 鯨の髭。
象と鯨の組み合わせ☆ えらいスケールの大きい☆
鯨の髭も象牙同様、入手が困難なため、価格は紫檀の柄よりも高くつきますが、
樹脂のような“しなり”があり、叩き具合も弾力があってよい感じです。
象牙と鯨の髭の組み合わせが最高なのでしょうが、
・象牙は熱に弱い
・鯨の髭は虫が食いやすい
という短所もあります。
堂内で使用される分では問題ないですが、保管には多少の注意が必要です。