日々雑録
ブツネタ393「2躰のご本尊」
お世話になっているご寺院様から、
檀家さんのお仏壇移動を仰せつかりました。
今回のお仏壇は、弊社でご購入頂いたものではありませんが、
少し珍しい事例でしたのでご紹介します。
こちらの仏さんは、どちらもご移動させて頂く檀家さんの阿弥陀さま。
【向左】
以前にご本尊として祀られていた。
現在は、人形のショーケース入れて保存。
【向右】
現在、仏壇内に祀られるご本尊。
数十年前に、造り付けの仏壇から、唐木仏壇に買い替えられた際に、
どうやら【向右】の阿弥陀さんに替えられたようで、
それでも先代のお父さまが大事に保存されていたというのです。
ただ仏さんの身丈は共に6寸。
いかんせん 嗚呼いかんせん いかんせん
残念なお仕事を見た時に思わず口ずさむフレーズです。
仏壇内に安置するとこんな感じ。
確かにこのままだとお顔の位置が高過ぎるのと、
舟型光背を立てることが出来ません。
ということで、
新しいご本尊をお迎えしましょう・・・
これでは
いかんせん 嗚呼いかんせん いかんせん
なんとも芸のない。
専門店ではないお仕事です。ん~残念。
では、専門店の谷口ならどうするか。
長年ご本尊として祀られてきて、
先代も仏壇に安置されなくても大事に残されてきた阿弥陀さまに
ご本尊として再度お迎えしたら如何かとご提案致しました。
【向右】
総高さ43㎝ 生え際までの高さ35.5㎝ 台座高さ17㎝
【向左】
総高さ39.5㎝ 生え際までの高さ31㎝ 台座高さ12.5㎝
要するに、既存の台座を改造して丈を低くし、
仏壇内に納めるというお話です。
どちらの阿弥陀さんが良い悪いというわけではありませんが、
本来祀られるべき阿弥陀さんがケース内にあって
樹脂に金箔が押された阿弥陀さんが
こちらのお家のご本尊として手を合わされるのに違和感は持ちました。
改造後どのように納まるかは改めてご報告いたします。