日々雑録
仏具修理のハ・ナ・シ1『木瓜厨子の修復①』(全4回)
2011/01/18(火)
仏具修理の話
木瓜厨子を修復のためお預かりしました。
なかなか拘りが見られる木瓜厨子です。
戸丈は3尺。
屋根は唐破風(からはふ)になっていて、
屋根の張りや丸みなんかも、いい感じです。
破風下には、緻密に彫られた水鳥の彫刻入り。
扉は4枚。
錺金具は厚くて、花先も特徴ある形で、框の金具は四方打たれています。
扉を開けると、
柱や虹梁(こうりょう)、蟇股(かえるまた)、斗栱(ときょう)付き。
それぞれ緻密に彫刻され、細かな彩色が施されています。
なかなか良品の木瓜厨子ということがわかりますね。
こういった柱・虹梁付きの木瓜厨子を新たに制作したことはありませんが、
修理では何回かご縁はあります。
写真から見てわかるように、台座は厨子内にめいいっぱいの幅です。
今までのこのタイプの厨子で共通して言えることは、
台座が厨子内にめいいっぱいで、柱が付いているので、取り出せないということ。
厨子を完成させてからでは、台座を厨子内に入れることはできません。
ですから、台座を厨子内に安置してから柱や虹梁を取り付けるんです。
簡単に取り出せないのが、当時“良”とされたのか、
ただ、意匠として立派に見せようとしただけなのか。
そんなことを考えながら修復していきたいと思います。
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修理のハナシ2 『木瓜厨子の修復②』
修理のハナシ3 『木瓜厨子の修復③』
修理のハナシ5 『木瓜厨子の修復④』
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