日々雑録
ブツネタ334 「小さくても素晴らしい★」
2013/06/09(日)
ブツネタ
在家用、すなわち一般のご家庭用の仏具は、
その殆どが量産品となり、樹脂製や海外製品のオンパレード。
作る職人さんが減り、
量産できるように樹脂製、もしくは生産拠点を海外に。
仕方の無いことかもしれませんが、
今回のように小さくても、先人が製作した手を入れた仏具を見ると
今のレベルの低さが情けなくなります。
講釈が長くなりましたが、
今回は、そんな良い仕事がされた“小さくても素晴らしい”仏具の修理のご紹介★
まずは、洲浜型香炉台。
天板幅で3寸3分。10㎝です。
こちらは浄土真宗本願寺派(お西)で使用される香炉の台。
お寺で使用されますが、
在家では別の形はあっても、この洲浜型を使用することは殆どないでしょう。
今昔関係なく、この大きさでは、かなりレアな仏具です。
こちらを修理するにあたっては、
やはり、下地を除去し、木地に戻すことが必要です。
かなり細かな彫刻ですが、
木地の戻せば、仕事の手の入れようもわかり、勉強になります。
下地を除去して解体し、こちらは木地修理が完了したところです。
その後、塗師、蝋色、箔押師と3工程に渡るのですが、
修理前と仕様を変えて、天場を乾漆仕上げに★
続いては、六角型の仏器台です。
高さは2寸8分。約8.5㎝です。
六角で猫足、さらには繰型などには細かな面が取ってあって、
緻密な仕事がされています。
彫物こそありませんが、
香炉台と同様に、こちらも木地に戻します。
木地に戻さないと、ポイントである面取り箇所が埋まってしまいます。
木地戻し、再接合したのがこちらです。
やはり良い仕事がされてます。
目の細かな桧材を使われてます。
その後は、塗師さんの手に渡って、
面が埋まらぬように下地、そして漆塗り・・。
そして、箔押し★ 天場には摺り漆を施し養生。
小さくても素晴らしい。
絶やしたくないないです・・。