日々雑録
ブツネタ210 「究極の下地仕上がりました」
2011/02/03(木)
ブツネタ
今日は塗師さんの工房へ。
身丈1尺3寸四天王・多聞天像の下地が完成に至りました。
こちらの多聞天像ですが、彫り上がりの段階を
ブログにアップしてなかったので、併せてご紹介します。
彫り上がりがコチラです。
邪鬼は施主様のご意向で不要。
直接、岩に立ちます。
左手に宝塔、
右手には宝棒を持たせています。
材は尾州檜。
今回担当した仏師は、削りがピカイチ★
木地仕上げでも全く問題なし。
ただし、こちらは木地仕上げでなく、下地を施し、彩色で仕上げます。
この彫り上がった多聞天像に胡粉下地。
今までの定義で言えば、下地が入ると、
彫り上がりの状態からイメージが変わってしまう・・・。
そういった懸念を恐れ、下地を施さず、
木地の上から直接彩色を施すことも多いように思います。
もちろんそういった仕上げも良いのですが、
今回のような四天王像には、下地を付けて彩色を施すのが理想的と考えます。
でも、そうなると、彫刻が下地で埋まっちゃう・・・。
で・す・が・・・
☆★ この通り ★☆
面相は変わることなく・・
ボンッ キュッ ボンッ
彫りは埋まることなく、“いきいき”しています。
衣先も、ぼてっとすることがなく、
ピンピンの究極の下地です。
仏師さんの頑張りを台無しにすることなく、
塗師さんがさらに、お像をパワーアップさせてくれはりました。
仏だけにとどまらず、
框だってピンピンピン♪
この頑張りを、以後の工程になる
箔押し・蠟色・彩色の職人さん達が気付かないはずがない!
こうやって、皆の意識を高めることで良いものが仕上がる訳です。