日々雑録
ブツネタ417「6尺の和幡と10尺の掛板」
2018/02/11(日)
ブツネタ
とっても長い!
長さ10尺(約303㎝)の掛板の製作をご拝命頂きました。
同時期に、長さ6尺(約181㎝)の木製和幡の修理もご依頼頂いていたのですが、
その和幡がえらく小さく感じました。
こちらは6尺の和幡(修理)。
まずは、簡単に和幡修理のご報告。
長さ180㎝の板ですから、場合によっては反ったり、割れたりしてしまいます。
ですが、非常にお行儀のよい木地のようで、
狂いが最小限度で、4枚の和幡で割れが1箇所のみ。
しかも、軽傷でした。
埋め木をして、木地修理は終了☆
その後、漆を塗替えて(表と厚み部分は箔下漆、裏は艶たて塗り)、
箔押し、名号部分に色を入れて概ね完成です。
今回の和幡修理において、特筆することは特にありませんが、
強いて言うなら、この岩絵具くらいでしょうか。
元は水干絵具のようでしたが、岩絵具で色を入れました。
僅かなことですが、高級感は増します。
この6尺の和幡は、堂内の柱に掛けられました。
和幡で6尺ですと、普通のサイズではあります。
次に掛板の話。こちらは新誂になります。
10尺の掛板となるとかなり長いサイズになります。
こちらは木地完成時の写真。
ハイエースで斜めにして、なんとか積める感じ。
この掛板に、50字弱の文字を彫ります。
字の割り振り、バランス、そして字体に至るまで、
図面を起こすのが結構手間が掛かりました。
図面完成後は、木地にこの図面を貼り、文字を彫刻。
下地、漆を塗り上げて、
面と文字に金箔を押し完成に至ります。
取り付けられるのは、総本山寺院の本堂。
長押から上側の垂れ壁に掛けられます。
長さ10尺の掛板が数十枚、いや百数十枚掛かっています。
完成後の写真も撮影したかったのですが、
時間なく、堂内の撮影のみとなりました。
これでは、、、よくわかりませんね。。。
ただ、仕上がりは満足いく出来になりました。